力を抜くことと、手を抜くことは違います。

こころとからだと感覚のはなし

「もっと頑張らなきゃ」

「ちゃんとやらなきゃ」

「失敗しないようにしなきゃ」

そう思えば思うほど、
身体に力が入り、

かえって、いつもの自分らしさが出せなくなってしまうことがあります。

頑張ることは、
決して悪いことではありません。

一生懸命だからこそ、
できることもたくさんあります。

でも、

一生懸命になることと、力み続けることは、少し違うのかもしれません。

力を抜くというと、

「頑張らない」

「手を抜く」

「適当にやる」

そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。

けれど、

少し力が抜けているときの方が、
周りがよく見えたり、

ふと浮かんだことに気づけたり、

その場に合わせて自然に動けたりすることがあります。

力を抜くことは、力を出さないことではない。

むしろ、

自分が持っている力を、
自然に使える状態なのかもしれません。

力みすぎると、本来の良さが伝わりにくくなる

以前、歌唱力を競うテレビ番組を見ていて、
印象に残ったことがありました。

ある歌手は、

「絶対に勝ちたい」

という気持ちが伝わってくるような歌い方をしていました。

歌唱力もあり、
声にも迫力がある。

けれど、

どこか力が入っているようにも感じました。

歌い終わったあと、
その方は悔しそうに、

「自分に負けた」

と話していました。

一方で、

肩の力が抜け、
歌うことそのものを楽しんでいるように見えた歌手がいました。

声が自然に広がり、

聴いている人たちも、
その歌の中に引き込まれていくようでした。

もちろん、

何が正解だったのかは分かりません。

ただ私はそのとき、

「うまくやろう」と力を入れることと、
その人が持っている力が自然に出ることは、
同じではないのかもしれない。

そんなことを感じました。

「ちゃんとしなきゃ」が強くなると、見えなくなるものもある

これは、
歌だけの話ではないと思います。

仕事でも、

人との関わりでも、

「ちゃんとやらなきゃ」

「失敗しないようにしなきゃ」

「うまく伝えなきゃ」

と思うほど、

自分がどう見られているかや、
間違っていないかということばかりが気になってしまうことがあります。

すると、

相手がどんな表情をしているのか。

その場がどんな雰囲気なのか。

自分は本当は何を感じているのか。

そんなことに気づく余裕が、
少なくなってしまうことがあります。

反対に、

少し肩の力が抜けていると、

相手の言葉をゆっくり聞けたり、

予定していなかった言葉が自然に出てきたり、

「こうしてみようかな」

という小さなひらめきに気づいたりすることがあります。

余白があるから、気づけることがあります

予定をいっぱいにする。

頭の中を、
やることでいっぱいにする。

自分の力を、
いつもいっぱいまで使う。

それが続いていると、

新しいものが入ってくる余地も、
少なくなってしまいます。

何もしない時間。

考えない時間。

力を抜く時間。

そんな余白があるからこそ、

それまで見えていなかったことに、
ふと気づくことがあります。

「こっちの方がいいかもしれない」

「これは、もうやらなくてもいいのかもしれない」

「本当は、私はこうしたかったんだ」

そんな感覚は、

一生懸命考えているときより、

お風呂に入っているときや、

散歩をしているとき、

ぼんやり外を眺めているときなどに、

ふっと出てくることもあります。

余白は、何もない時間ではなく、
感じたり、気づいたりするためのスペースでもあるのだと思います。

力を抜くことは、自分を信じることなのかもしれません

「もっと頑張らなきゃ」

と思っているときは、

どこかで、

今の自分では足りない。

もっと何かをしなければいけない。

そんなふうに感じていることもあるのかもしれません。

でも、

すべてを自分で何とかしようとせず、

少し力を抜いてみる。

その場で感じたことに任せてみる。

自分の中から出てくるものを待ってみる。

それは、

何もしないことでも、
諦めることでもなく、

自分がもともと持っているものを、少し信じてみること

でもあるように思います。

力を抜くことは、しなやかでいること

ピンと張りつめたままでは、

強い力がかかったときに、
ポキッと折れてしまうことがあります。

でも、

風に合わせてしなる枝は、

大きく揺れながらも、
また元のところへ戻っていきます。

私たちも、
少し似ているのかもしれません。

いつも力を入れて、

何があっても動じないように頑張ることだけが、
強さではなくて、

ときには力を抜く。

流れに合わせる。

立ち止まる。

考えていたことを変える。

そんなふうに、

そのときに合わせて動けることも、
ひとつの強さなのだと思います。

力を抜くことは、弱くなることではなく、
しなやかでいること。

必要なときには力を入れ、

必要のないときには力を抜く。

そんな余白があるからこそ、

何かが起きたときにも、

そのときの自分で感じ、
考え、動いていけるのかもしれません。

力を抜いて過ごす時間を

「ゆっくりしよう」

と思っても、

一人ではなかなか力を抜けないこともあります。

すみ香では、

何かを頑張ったり、

答えを見つけたり、

自分を変えたりするためではなく、

ただ静かに、自分のままで過ごせる時間

を大切にしています。

誰かに合わせなくていい。

何かをうまく話さなくてもいい。

何かを感じようとしなくてもいい。

その時間の中で、

身体の力が抜けたり、

呼吸がゆっくりしたり、

ふと自分の感覚に気づいたり。

何かを起こそうとしなくても、

ただ静かに過ごしているうちに、
自然に戻っていくものもあるのかもしれません。

力を抜くことは、何もしないことではなく、
自分の中に余白をつくること。

そんな時間も、
日々の中にあっていいのだと思います。

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リラックスについては、こちらの記事でもお話ししています。

▶︎ リラクゼーションは「戻る」時間

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いつも力をいっぱいまで使っていると、
自分では気づかないうちに、
休むことさえ難しくなってしまうことがあります。

頑張ることが当たり前になって、
「休みたいのに休めない」と感じる方へ。

休めないのは、頑張り続けてきたからかもしれません